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座布団/剛しいら

先日、氷でできたホテルに泊まってきました。思ったほど寒くはないが、夜11時就寝とか無理だったあねこです。

壁も天井も床もソファもテーブルもベッドも全部氷でした。
寝る時は山岳登山用シュラフです。室温マイナス3度。外気温マイナス19度。
寒さはあまり気になりませんでしたが、夜11時にもう寝ろというのが無理!
こんなこともあろうかとこっそり寝袋に持ち込んだBL本を懐中電灯で読みました。
2冊読んだうちの1冊がこれです。

座布団/剛しいら/自費出版
お気に入り指数(最大5)★★★★★

【あらすじ】
師匠・山九亭初助の死を知らされた森野要こと山九亭感謝。その胸の内に、一枚の座布団の上で常に話芸の極みを目指し別世界を繰り広げ続けた誇り高い落語家への想いが去来する…。噺家は一生涯の全てを自分の芸の肥やしにするものだと、学ばせてくれたのも師匠だった。たとえそれが情愛でも、別れでも…。




↑このあらすじ密林のものですが、なんだかトンチンカンな気がします…(なぜ使う)

実は先に「花扇」を読んでしまっているので、要と寒ちゃんの関係や、初助師匠が寒ちゃんや香田に面影を重ねた最愛の人とのエピソードを知っているから感動が薄れるかなあ。と思いきや、全然大丈夫でした!

話は、初助師匠の死や葬儀、墓参りなどを機に要が過去を回想するという構成で、現在と20年前がいったりきたりです。
カップリングは寒ちゃん×要で、二人のエピソードが綴られますが、この本で語られているのは、要の師匠初助。多くの男たちを喰いながら落語と添い遂げたこの師匠が、いかに生き、それを要に見せていたのかが、落語のネタをからめながら描かれています。
本作では、さまざまな男たちとの関係を匂わせつつも、初助の絡みシーンはなく、そっちのほうは要ちゃんがせっせと頑張っています。
今BLといえば、エロが必須という風潮で、しかも懇切丁寧に状態を説明する直接的表現が多いですが、今作で描かれる初助師匠のエロさ……という言葉は似合いませんね、艶っぽさは、そんな昨今の風潮をあざ笑うかのように、いかに直接的なシーンを書かずに色気を出すかのお手本みたいな気がします。要が語る初助師匠は実に粋で艶っぽく、そして一方でとてもストイックな印象を受けました。
要の一発芸には爆笑しました。受がやるもんじゃねえ!
とにかく本作は、要ちゃんの視線を通して描かれる初助師匠に惚れました。
キャラ物でありながら人情噺で、芸事の物語で、しかも萌え満載。
粋で洒脱、という言葉が似合う作品。

ここから先は蛇足です。
私が入手したのは、商業誌ではなく剛しいらさんが自費出版されたものです。
再版の声が多く寄せられながらも、諸般の事情で復刻はできないので、出版社の許可を得て自費出版したものだそうです。
あとがきに、昨今の出版事情が厳しくて、重たいテーマの話は通らないことが多いとありました。
剛さんほどの実績があり、力も人気もある作家さんですら通らないということは、新人やあまり有名ではない作家さんはもっと通らないだろうなあと思うと、それがすごく残念で悔しい思いです。

耽美小説からジュネを経てBLに至るまで、同性愛をモチーフにした作品は、時代時代でさまざまな変遷を遂げてきたと思います。
私が感じる、ジュネとBLの世代間相違でもっとも多く感じることは、登場人物たちが自分たちのセクシャリティについて悩み葛藤し苦しんでいるか否か、という点です。もちろん現在BLとくくられている作品の中に、そうしたセクシャリティがテーマになったりキーワードだったりするものも多くあるし、逆も然りですが、暗黙の了解で最初っから男同士というのが障害になっていない作品が多いなあという印象です。
ガールズラブが少女たち目線の恋愛物語であるとするならば、ボーイズラブは少年たち目線の恋愛物語。男同士であることが、男女であることと差異なく描かれているような気がします。(全部がそうだとは言いませんが)
もちろんラブラブで楽しいエンターテインメント性の高いBLも私は大好きです。
それらが人気なのもうなずけます。
ただ、出版の世界、特にBLの世界では「売れない」ということが作家個人の力量ではなく、流行に左右されやすいのかなとも思います。
売れる系統のものはどんどんOKが出るという、目に見えやすい形のマーケティングに基づいて、その後に世に出る作品傾向がコントロールされているのだとしたら、何だか私たちの手元に来る前に取捨選択されすぎてつまんないなあと思ったり。

マイノリティだったものが、マイノリティじゃなくなった今。BLを出すということはたやすくなったけれども、逆にメジャーになった中のマイノリティが世間に出にくくなっているのかと感じます。
ただ、木原さんの「箱の中」のヒットなど、重たいテーマでも受け入れられるという実績が出てきているので、今後はもうちょっと重たいテーマのものも、もう少し「売れる」と踏んで発行してくださる出版社が増えるのでは。と希望的観測。

蛇足なのに長い……そしてなんか堅い。
ああでもBLとジュネとやおいと耽美に関してはいろいろと考えることがあるので、またいつか別項でつらつらほざきたいです。

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あねこ

Author:あねこ
しばらくぶりにBLにハマりました。

■好物:年下攻、オヤジ受、ヘタレ攻、ツンデレ受、漢攻×漢受、襲い受、軍服、江戸~明治~大正
■BLダメツボ:ロリショタ受(攻めは大好き)、乙女受

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