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さよならを言う気はない/英田サキ

枕元に積んでおいたBL小説タワーが顔に雪崩れて起きました。こんにちは、あねこです。

栄えある感想一発目は、やっぱりBL読みが再発した木原さんの「箱の中」にすべきなのかと思いましたが、何しろ重い……そして深い。
感想書くならちょっと腰すえて再読しないとなーと思ったので、今のところ読んでも始球式率が最も少ない、英田サキさんから始めることにします。
前置きなげえな。感想一発目はこれです。盛大にネタバレしてます。

「さよならを言う気はない」/英田サキ/シャイノベルズ
 お気に入り指数(最大5)=★★★★★

【あらすじ】
三年前に警察をやめ、現在ひとり「陣内探偵事務所」を経営するしがない探偵、陣内拓朗。
彼にはもっとも苦手とする男がいる。
それは新宿歌舞伎町一帯をシマに暗躍する、美形だが凶暴なヤクザ、天海泰雅だ。
見てくれの繊細さとは裏腹に、東日本最大の暴力団組織、紅龍会の直系二次団体周藤組の幹部であり、「周藤の虎」と呼ばれ、恐れられている。
天海が依頼してくる仕事にはろくなものがない。
陣内にとっては疫病神のような存在だ。そんな天海が、今日も厄介な依頼を持ち込んできて!?
せつなく、胸あたたまるヤクザと探偵のラプソディ登場!



元刑事のへたれ探偵(37)×美形鬼畜ヤクザ(29)のシリーズ1作目です。
実はこの本、BL読みが再発してから何度も本屋で表紙を見ては睨めっこの末買わずにいました。
表紙の二人がこぎれいすぎたのと、裏表紙のあらすじの最後の一文にたじろいだからです。

せつなく、胸あたたまるヤクザと探偵のラプソディ登場!

ラプソディ……ラプソディか……。
せつないとか胸あたたまるとか、なんかもうお腹いっぱいな形容とともにラプソディ。
ちょっと読む気がそがれてしまいました。
今振り返れば、何で最初に見た時に買っておかなかったのだ馬鹿!ですが。

ヘタレオヤジ攻、凶暴な美形受、ツンデレ、ヤクザ、襲い受、家族トラウマと、これでもかと私の好物ばかりを並べられた悶絶作です。
英田さんの作品は割と外れが少なくて、「DEADLOCK」「エス」両シリーズも死ぬほど好きなんですが、萌えという点において、本作、それから続編の「愛してるという気はない」は最強な気がします。
話は、天海が陣内のところへやっかいな依頼を持ち込み、それを軸にして天海と陣内の、離れては交わり、また遠くになっては近づく関係を、陣内が刑事を辞めるきっかけとなった天海も絡んだ4年前の事件や、12年前の天海の父親殺しからヤクザに至ったいきさつなどを交えながら進みます。
途中途中で、実父殺し、母親との隔絶、ヤクザの男妾。何とも壮絶なる天海の過去が明らかになり、陣内もまた天海に陥れられ結局は自ら命を絶った元同僚・古瀬の死に責任を感じ、過去を引きずっている。ともすればド暗い雰囲気になりそうなところを、陣内と天海がぽんぽんと言い合うセリフがテンポよく、ダークにはなっていないのがまたこの作品のとても好きなところ。や、ダークなのも好きですけどね。これで天海が幸子の幸は不幸の幸、みたいな日陰の花的存在だったら、ぜんぜんおもしろくない。他人にも自分にもサドな鬼畜受だからおもしろいのじゃ。

抱えていた事件が終結し、陣内と天海が向き合うクライマックスのエロシーンがとてもいやらしくておもしろくてせつない(くそ~せつないって言っちゃった。使わないつもりだったのに!)。最中に受が喘ぎ以外でこんなに喋るの珍しい。「いや…っ」と言わない受。いいッスね!
そして結ばれてもなお、自分の想いが報われるとは考えない天海は、陣内との一夜を思い出にするから忘れろと言う。背中から抱きついて「今夜のことは全部忘れていいんだ」なんて言う受にしびれた。何かもう陣内と一緒に鼻の奥がツンとしましたよ。
ふと、タイトルの「さよならを言う気はない」というのは、文中で天海が陣内に電話口で言った「俺を恨んでいると言えよ。許さないと言ってくれ」という言葉とリンクするのかなと思いました。
恨まれて許されなければ、陣内の記憶に留まることができる。陣内が自分を憎み続ければ、さよならを言われることもないだろう。
最初から、自分の秘めた想いが報われるというハッピーエンドを除外している天海は、そんなふうにしか考えられなかった。それが唯一の天海にとっての幸せなのだと、そう自分に言い聞かせていそう。
とりあえず双方の想いが通じてハッピーエンド。よかったよかった。

設定の重さを、二人のテンポよいやりとりや、いい意味で下品な会話が軽くしていて、そのへんのバランスがすごくいい作品だなあと思います。また二人以外の、那波、賀持、神代、早奈江、彫政といった脇キャラもしっかりと描かれていて、陣内と天海、それぞれの人格を浮き彫りにし、深みを加えています。

ところで、通常の受とはちょっと、いやかなり違ったタイプだけに、天海の言動に爆笑したり悶絶したり大変でした。電信柱に立ちションしようとする受とか、銜えていながら殴るとか、陣内をなじったり揶揄する表現もバラエティ豊か。最初の一行が攻じゃなく受の台詞だっていうとこからしてもう噴いた。
何かそう言うBL界のセオリーみたいな部分をさらっとひっくり返してるあたり、うまいなあと思いました。さすが!

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あねこ

Author:あねこ
しばらくぶりにBLにハマりました。

■好物:年下攻、オヤジ受、ヘタレ攻、ツンデレ受、漢攻×漢受、襲い受、軍服、江戸~明治~大正
■BLダメツボ:ロリショタ受(攻めは大好き)、乙女受

★トンチキ企画参加してます!
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