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倒錯者Aの告白/倒錯者Aの功罪/綺月陣

突然、綺月陣さんを読破中のあねこです。
きっかけは「倒錯者Aの告白」なんですが、作風の幅広さに驚きつつ、あれこれ手を出しています。

とりあえずその初・綺月さん作品から。

倒錯者Aの告白/倒錯者Aの功罪/綺月陣/ガッシュ文庫
お気に入り指数 ★★★★☆

【紹介文】
「…また俺の生活を、壊しにきたのか」男との偏執的な肉体関係が明るみに出て刑事を辞めた東間は、その原因となった美貌のモデル・嵐と再会を果たす。二度と会わないはずだったが策略に嵌まり、東間は嵐を貶めようとしている犯人捜しのためボディガードとして雇われることになる。しかし嗜虐心を煽る嵐の姿形は以前と変わらず、東間は一目見た瞬間に欲情し、サディスティックな欲望を抑えきれなくなった。また以前の関係に戻ってしまうことを怖れた東間は…。



これ、駄目な人は本当に駄目だろうなあ。
少なくとも水原さんのイタイ系が無理な人は無理です。

東間と嵐という二人の倒錯者の関係を第三者的目線で追う「倒錯者Aの告白」と、事の真相をキャラの視点や心情を絡めながら明らかにしていく「倒錯者Aの功罪」。
私は2作続けて読んだせいか、ものすごくインパクトがありました。
特に受であり被虐的行為をされることをのぞむ美形アイドルモデル・嵐が強烈でした。

「~告白」の冒頭部分はまるで高●薫か柴田よ●きでも書きそうなハードボイルドチックな書き出しで、ぐいぐい引っ張り込まれました。
長さんがまたイイ味を出していてうっかり萌えたことは秘密です。
その後のトーンダウンに若干あれれ?と戸惑いましたが、かつて「強姦」で関係が始まり、被虐的な性関係に溺れた二人が再会し、犯人探しをしながらまた違った関係を築いていくという展開は、とてもおもしろかった。
軽犯罪でしょっぴかれた嵐が、いきなり取り調べ室で東間に強姦されて、しかも初めてだったのになんで東間のところに転がり込んで、被虐的なセックスに溺れるのか。その心情がわかりにくかったのですが、続けて読んだ「~功罪」でそのへんはみっちり描かれるので、目からウロコが落ちました。

そして「~告白」で、東間と嵐がハッピーエンドになっているという前提があるからこそ、「~功罪」を読む事ができたかな、とも思います。
「~告白」冒頭で描かれた暴力的なセックス描写と、ふたりの歪んだ愛欲と暴力の爛れた日々の詳細は「~功罪」のほうでスタートからエンドまでじっくり描かれるので、時に暴力も伴う倒錯的な性描写は容赦なくて、ふたりどちらも痛々しいので、その仄暗いオーラに引きずられそうになります。

裕福な家に生まれ、自身も人気モデルとして活躍して,何不自由なく暮らしている嵐。
しかしそれは親の庇護という名の檻の中でのことで、日々どこか無為に過ごしている。
そこから脱するために、変わるために必要としたのが東間との被虐関係だというのが、「~
功罪」を読むと理解できる。
それがなぜ被虐なのかはまあわからないんですが、切羽詰まって閉塞的になっている嵐一度「壊れる」ことで自らの生を肯定できると思ってしまった、のかな。

対する東間がなぜ嵐をいきなり強姦してしまったのかも、まあBL的にはアリな展開の範疇なのだということにしよう。東間側にも潜む暗さ、狂気ですね。
嵐が人気モデルというリアリティがあまりなかったり、刑事ってそんな簡単に辞めてトンズラできるのかよ、とか、ファッションショーとか世界的アーティストとかがどうもB級で陳腐とか、嵐の従兄弟くんは結局尻すぼみ?とか、犯人が小者、とか、いくつかハテナな部分もありつつ、それを凌駕する力技がありました。
BLって完成度じゃなく、魅力的かどうかだよなあとつくづく感じた。

綺月さん初読みでしたが、エロも濃くてというか今回は倒錯エロなのであれですが、おもしろかったです。
特に「~功罪」で嵐や東間の心情が描かれているので、「~告白」で物足りなく思った「なぜ二人は被虐関係に堕ちざるを得なかったか」を補完してくれるものでした。

監禁、緊縛、お道具プレイの数々、とエロ面でもてんこ盛りで、正直「~功罪」の延々と続く被虐なエロシーンには少々飽きましたが、マニア心をくすぐるプレイも多々あって楽しんだ!
「ニップルクリップ」という言葉がツボって出て来るたびに爆笑してました。

被虐行為は容赦ない責めですが、根底はラブで相手を求める故の暴力に繋がるものなので、そのへんはあまり気にならなかった。
あ、繰り返しますが、水原さんを読めない人は受け付けないエロですよ~。
「~告白」も「~功罪」も最初の被虐エロテンションからみると、終盤に向かって急降下でラブラブバカップルぽくなりますが、それもご愛嬌。というかそれがなかったらずっとキリキリ胃が痛むエロシーンだったかも。

そして今回のMVP賞は、ガッシュ編集部。
よくぞこれを2冊も出したもんだ。英断。

SM凌辱好きにはちょっと物足りないかもしれませんが、安全パイなSMプレイ(でも描写は過激)を楽しみたい方にはおすすめ。
読むならぜひ2冊続けて、ご一緒にどうぞ!

そして引き続き綺月さん祭り開催で、次回紹介はまっっったく毛色の異なる「スイートホーム」の予定!

comments

こんばんは~
これ、功罪が後に出た方ですよね!
私間違ってこっちから読んじゃったんです。

>特に「~功罪」で嵐や東間の心情が描かれているので

そうなの!告白が状況を追った話なら功罪は心情を追っているので、どちらが好きって言うもんじゃないかも知れないけど功罪の方がグッときましたよ。

私、綺月さん好きです~。まだ大して読んでませんがダメだ~ってのはなかったですね。

みっとさん、こんばんは~

功罪が先だとキッツイですよね。どーんと重いし。
この関係が成就するのか幸せになるのかがわからなくて、キリキリしそう。

綺月さんまだ読み始めですが、手に入りにくい~~~。
ダメじゃないけど時代性を感じるのはありますね~。

コメントどうもでした~!

綺月さんも、本当に作風が幅広い作家さんですよね。わたしはちょっと怯んでこの作品に手を出していないのですが(「獣」も同じ。エグいらしくて)、なんか読みたくなってきた(笑)
わたしは「龍と竜」、「昨日の敵は明日の恋人」が、過去読んで好きでしたが、最近「ブライダルパニック」を読んで、作風の違いにため息をつきました……いや、面白かったですよ。

lucindaさん、こんばんは~

確かにこの作品はデンジャラスなので、愛さえあればSMも乗り越えられる人じゃないと無理かもしれません。

噂の「獣」も読みましたが、あっちはもう破天荒すぎて、過激描写がだんだん笑えてきました。リアリティがないような感じになっちゃって 笑
次は「龍と竜」の予定でーす。
「昨日の敵は明日の恋人」は今日買ってきたので、その次にでも!
「ブライダルパニック」は……すでにタイトルで食傷気味です。
情報ありがとうございます~~!

あねこさん、こんにちは!

「獣」を読破済みなら、それ以上に怖い綺月作品は無いと思います。ちょっと手に入り難いですが、「背徳のマリア」と「ホタル」も機会があれば読んで頂きたいです。どちらも重い話ですが、著者の作品に対する熱い思いがひしひしと伝わって来るのですよ。

「背徳のマリア」に関しては言えば、受が性転換を繰り返すと言う、一見上はトンデモな内容ですが、心まで女になっている訳ではないので、同性愛が貫かれています。読んでいて圧倒された作品ですが、綺月さんついでにお勧めさせて頂きました。

では!

ハスイさん、こんばんは!

不在にしていてレス遅くなってすんません!
「背徳のマリア」すごそうなんですが……探してみます!
トンキワマスターのハシさんをも圧倒した作品というだけで読みたくなります。

「ホタル」は読みました。
綺月さんは、受が心に誰かを住まわせたまま、体は違う人に任せてしまう、というのが多いですね~。

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あねこ

Author:あねこ
しばらくぶりにBLにハマりました。

■好物:年下攻、オヤジ受、ヘタレ攻、ツンデレ受、漢攻×漢受、襲い受、軍服、江戸~明治~大正
■BLダメツボ:ロリショタ受(攻めは大好き)、乙女受

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