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水面に睡る月/和泉桂

新刊をとっとと読まないと、よそ様のブログ記事が読めないことが今さら判明したあねこです。
他の方の感想を読んでからだと、自分が読む時にどうしても影響しちゃうので、未読で手持ちの本の感想は読まずにいます。

水面に睡る月/和泉桂/幻冬舎ルチル文庫
お気に入り指数 ★★★☆☆

【紹介文】
記憶喪失の凪は、助けてくれた鷹田暁邦の屋敷で暮らすことに。しかし凪はその屋敷に、昔から慣れ親しんできたような感覚を覚えていた。ある日、働かずにいることが苦しく、暁邦に「働きたい」と申し出た凪は反対された挙げ句、犯されてしまう。穏やかだった暁邦の変貌にショックを受ける凪。しかも「愛人」として夜伽するよう命ぜられ…。


善し悪しの前に、まずもって分量が足りねえなあ。というのが読後の第一印象です。
2段組ノベルズでじっくり書いてほしかった…。

ありきたりな「記憶喪失」というネタを、ほんとに上手く使ってくれたと思うんですが、和泉さんが今回目指したという、陰鬱とした雰囲気を表現するのにページ数を費やしすぎたような…。
3分の2ぐらいまではじっくり重めの感じなのに、そっから先が軽くなっちゃったなあ。
そのバランスの悪さが一番気になりました。
で、そういうのが気になると何だかちゃんとクライマックスを楽しめなくて、どこか置いてけぼりのまま収束。
出来は悪くないけど良くもないという一番厄介なパターンになってしまった。

世界観をきっちりと作り上げたのに対して、攻である暁邦の心理が今ひとつ深く描かれていなかったのが敗因の一つかなと。
プロローグでは、暁邦の心の奥にある凪に対する激しく暗い執着が見えたのに、それがどうも生ききらなかった。惜しい!村の規範的存在でありながら、父親の妾の子に強い執着を見せるという裏の顔的部分をじっくり書いてほしかったなあ。いいキャラになると思うんだけど暁邦。
そこまでして何故凪に執着するのか、そして記憶を失う前の凪はどうしてそこまで暁邦を嫌うのか。そのエピソードが欲しかった。
凪の記憶が最後まで戻らないことと、過去の記憶を取り戻すよりも新しい自分を作ればいい、というテーマがあったからかもしれませんが、凪の記憶がある時の婚約者のエピソードとか凪の家族のこととか、もうちょっと掘り下げていって、過去を振り返らず新しく生きようとする凪と、対照的に過去や凪に対する暗い執着をを自分の中に封印して生きる暁邦の対比もみたかったなー。
もうちょっと前の記憶の断片が戻って来てもよかったかもしれない。それを振り切って暁邦と生きる新しい人生を選ぶ凪、ぐらいにね。

和泉作品の醍醐味のひとつであるドラマティカルな部分が、あまりに陰鬱にしようと作りすぎて、薄れてしまったのも残念。

和泉さんの作品という先入観がなければもっと楽しめたのかもしれないけども、とにかくこの長さではもったいない。それに尽きる。

エロ方面では和泉さんにしてはあっさりめかな?
「心は処女で体は娼婦」な設定はベタですが萌えます。

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Author:あねこ
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