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G?トライアングル/いつき朔夜

実はラクシュミと生まれ故郷が一緒のあねこです。

現時点でのいつき作品ナンバーワン。
多分に私のシュミに偏った評価なので、万人向けではないかもしれません。

G?トライアングル/いつき朔夜/ディアプラス文庫
お気に入り指数 ★★★★☆

【紹介文】
ラクシュミ――その漆黒の強く美しいサラブレッドに惚れ込んだ若手ジョッキー清見は、馬主である星生にラクシュミに乗せてほしいと直訴した。すると星生は「勝てばよし、負けたら私の意のままになるなら」ととんでもない騎乗の条件を持ちかけてきた。クールな男から出されたその提案を、勢いで受けて立った清見だったが……!? レースでの勝利と自らのカラダを賭けて、乗るか乗られるか、恋のじゃじゃ馬ならし!!



サラブレッド生産地で生まれ育ったので、このお話の設定がヒジョーに身近でおもしろくて、おまけに札幌競馬場とか家から自転車で10分なので、ほんっとリアリティありました。
星生が清見を北海道で連れ回したルートも何となくデジャブで、馬たちを車窓の左右に見ながら走った道も、あそこかなあ、と思い至り、読んでいてとても楽しかった!
競馬は詳しくないんですが、むしろ生産者や騎手、厩務員といった側に同級生がいたり、サラブレッドが身近な話だったりしたので、いろんなシーンが具体的に頭に思い浮かんだのも、この作品の世界に入り込めた要因かなー。
あと、馬大好きなんです馬!鍛え抜かれたサラブレッドというのはとてもキレイで、惚れ惚れします。基本的にツンデレ受な気がする……。
道産子(北海道原産の農耕馬)は朴訥で口数の少ない素朴攻だ。そんなことはどうでもいいですね。

私のように競走馬が好きで、競馬にもちょっと興味あって、騎手や生産者、馬主などの知識も多少ある者にはもちろん、そうじゃなくても、このお話はすごく丁寧にわかりやすく競馬界やサラブレッドの現状を語っている。「八月の~」では博物館学芸員、「ウミノツキ」では水軍の歴史を絡めた航海実験についてとか、とかくBLを読む人種にはとっつきにくい分野を詳細かつ噛み砕いて、しかもそこだけ浮くようなこともなく作品に入れこんだ力量は、文庫デビュー作となった本作から備わっていたのですねー。
BL部分とっぱらって競馬小説としても、良作だと思います。

そして肝心の(!)BL部分も、馬や競馬に引っ掛けた台詞の応酬や「人間パドック」(爆笑!)など、機智にとんだエピソードが織り込まれていて、この話の中じゃないとできないことをきっちり描いていて好感!
なんかこう、エロ部分とかBL部分だけを抜き書きしたら、別の小説に紛れ込ませてもわかりません、みたいな文章は面白みがないよね、たとえエロくても!
いつきさんと言えばコレ!みたいな強烈な個性はない方ですが、逆にそのオールラウンドなフィールドの中で、一作一作の個を極めている方だと思います。
だから、読むごとに新鮮さを感じるんだろうなあー。

内容は、ラクシュミというサラブレッドに惚れ込んだ清見が、ラクシュミに乗りたい一心で、馬主である星生の無茶な条件の賭けに乗る、という筋立て。
そこに、ベテラン騎手との確執や、レース中の落馬事故で命を落とした清見の父のこと、清見に密かに思う幼なじみの厩務員、牧場の人々などが絡んできて、ラクシュミの成長も含めて話が展開していきます。受、攻、以上!みたいなことにならないで、周囲のドラマをきっちり描いたことで、清見と星生の関係も浮き彫りになってると思う。

惜しむらくは「トライアングル」というほど、清見と星生と幼なじみ・亮太の関係が拮抗しなかったこと。一時は共に騎手を目指しながらも体格の不適正で騎手を諦め、厩務員として清見とともにG?を目指している亮太。清見に思いを寄せながらもそれは胸に秘め、じっと見守っていたのに、まさに鼻先の人参を星生にかっさわれ、ちょっと壊れ気味になっちゃうんですが「自分の中で、亮太と星生のいる場所が違う」と言い、どっちも大切と考えた清見の、亮太への思いがイマイチ薄かったかなと。あと亮太がそうせざるを得なかった動機も足りないかな。でもまあ、いつきさんはあまりドロドロした負の感情をキャラで描かないので、それは作風ってことで。

同時収録されたその後の清見と星生、そしてラクシュミの話はじんときました。
二つとも失うかもしれない、どちらかを取れというのなら手放すのはラクシュミだ、と言った星生の言葉が染みましたね。本編ではあまり明かされなかった星生の強い想いが描かれていて良いです。そういえば、馬の額にある白い模様を「星」っていうんですよね。星生の名前はそれにもちなんでるのかなー。
放牧場での清見と厩務員のやりとりも現実的で、あの厩務員のキャラで1本書かないかな、と思ったほど。なーんか過去ありそう。

作品の一番最後に、架空のラクシュミの競走馬名鑑データがあります。
ここでしみじみ感慨にふけることしばし。
実はこの作品中一番好きなキャラはラクシュミだ!

私はとても楽しめた身近な一作でした。
さーて競馬BL漁るか!
おすすめあったらお知らせください~。

comments

そうか!やっぱり身近で暮らしている方には、すごくリアリティがある話しなのですね。私はあまりお馬さんの世界は分からなかったので、ちょっと難しい感じだったのですよね(TДT)
そしてラクシュミ!
一番よかったですよね(笑)

ディアプラスのHP「デビュー単行本特集」でG1のSSが読めますよ~o(・∇・o)(o・∇・)o

確かに、馬にも競馬にも興味がない人には辛いかな~笑
私はその昔、あまりにちびっこで成長しなかったため「お前は騎手になれ」と言われたほどです。ははは。

>ディアプラスのHP「デビュー単行本特集」でG1のSSが読めますよ

おお!見て来る!ほんと、okapi情報局は素晴らしいなあ。いつもありがとうでやんす!

G1トライアングル!
この本にも挑戦したんですね~!
競馬BLって新鮮で、そしてホームラン拳さんの挿絵が麗しかったなあ。

人間パドックには相当吹きました。
ちょっと憧れのシチュかも…(待て

自分は競馬大好きなので
いくつか「あれ?」って思うところはありましたが(ラクシュミのローテーションはありえない!あと、テツを外す描写はどうなんだろ?と)
清見がものっそい可愛かったなあ…w
現実の騎手にこういう子がいたらファンになってしまいそうです。

様々な分野で書ける作家さんってすごいですよね。
取材量がものを言うのかなあ。尊敬してしまいます。

競馬BLは今のところ他に見たことないですねえ。。
もっとあってもいいのに!なんて思います。

>ちょっと憧れのシチュかも…(待て
マジかー!どっちに憧れてるんだ!するほう?

確かに競馬的なツッコミどころはありますが、あまり気にならない程度だったです。
清見ほんとにじゃじゃ馬でかわいい!

>競馬BLは今のところ他に見たことないですねえ。。
高尾理一さんの作品にあると聞いたことがあるんですが、どれかわからない 笑

コメントさんくすでーす!

高尾理一さんの競馬BLはこんな感じです。

★「ソウル・ドライブ」馬主の息子×生産牧場の息子
★「ご褒美はレースのあとで」 騎手養成校の生徒同士
★「スウィート・サクセス」「スウィート・ラバーズ」馬主×騎手

個人的には、「スウィート」シリーズを特にお奨めします。

わ~アラスカさん高尾作品の情報ありがとうっす!
さっそく探してみます。

騎手養成学校の生徒同士も気になりますね。ふふふ。

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プロフィール

あねこ

Author:あねこ
しばらくぶりにBLにハマりました。

■好物:年下攻、オヤジ受、ヘタレ攻、ツンデレ受、漢攻×漢受、襲い受、軍服、江戸~明治~大正
■BLダメツボ:ロリショタ受(攻めは大好き)、乙女受

★トンチキ企画参加してます!
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